Heartnote

循環器を中心に読んだ文献などを纏めています

High-risk patientでのCoreValveの5年成績(TCT2018)

Self-Expanding Transcatheter Aortic Valve Replacement or Surgical Valve Replacement in High-Risk Patients
5-Year Outcomes
j.jacc.2018.08.2146
 
■背景:The CoreValve US Pivotal High Risk Trial で、手術高リスク群におけるTAVRのSAVRに対する1年死亡率の優位性が示されていた。
■方法:手術高リスクの患者をTAVRとSAVRに1:1でランダム化。5年追跡を行った。
Severe hemodynamic structural valve deterioration : mPG ≥40 mm Hg、または20 mm Hg 以上の圧較差増加、または新規 severe AR と定義
■結果: n=750 (TAVR = 391, SAVR = 359)、平均年齢83歳、平均STS score 7.4%
5年全死亡率はTAVR55.3%、SAVR55.4%、サブグループ解析でも死亡率に有意差なし。Major strokeはTAVR12.3%、SAVR13.2%。mPGはTAVR 7.1 ± 3.6 mm Hg 、SAVR 10.9 ± 5.7 mm Hg 。Clinical valve thrombosisは観察されなかった。Freedom from severe SVD:TAVR99.2%、SAVR 98.3%。Freedom from valve reintervention:TAVR97.0%、SAVR98.9% (p = 0.04)。恒久的ペースメーカー留置: TAVR 33.0%、SAVR19.8%であった。
■結果:手術高リスク群でのTAVRとSAVRの中期生存率、脳梗塞発症率は同等であった。弁のdeteriorationや再挿入率は低かった。
.(Medtronic CoreValve U.S. Pivotal Trial; NCT01240902).

(引用:JACC Sep 2018, 25522; DOI:10.1016/j.jacc.2018.08.2146)

・1年成績を比較した試験(JAMA Cardiol. 2016;1(8):945-949)ではTAVRの優位性が示されていましたが、5年後ではほぼ同等という結果。

・TAVRの方がペースメーカーが多かったのは変わらず。

・弁の劣化や変性は、5年ではSAVRと変わりないと考えて良さそう。